Engineering Managerになって10ヶ月で取り組んだこと
Kyash TechTalk #5 – マネジメント で、Engineering Manager (EM) になってから取り組んだことを発表しました。この記事では、イベントで話した内容とその補足についてまとめます。
これは Kyash Advent Calendar 2022 の15日目の記事です。他の記事もぜひご覧ください!
スライドと登壇動画
当日使用したスライドと登壇動画も貼っておきます。
発表時は半年と書いてましたが、正確にはもう10ヶ月が経過しています。
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=s2_-IceFUw0&t=2150s
入社直後〜テックリード時代
Kyashに入社したのは2020年2月、フルリモートワークが始まる直前くらいのタイミングです。
当初はSREチームの1メンバーとして始まりましたが、チーム体制変更などがあり2020年10月からSREのテックリードとなりました。
レビューを含めた技術的な意思決定はもちろんですが、実質チームリーダーのような立ち位置でもあったため、SREチーム自体の目標設定などマネジメント寄りな部分にも関与するようになります。
EMになるまでの経緯
その状態が1年半ほど続き、2021年の年末頃にEMをやってみないかとの打診を受けました。
打診を受けた段階では正直乗り気ではなかったものの、新たに発生する業務と必要になるスキルを詳しく説明してもらったり、何度か壁打ちをしてもらいつつ1ヶ月ほど悩みました。
最終的には、前述のようにチーム全体に関わる動きを元々していたことや、自身のキャリアの幅を広げることにも繋がると考え、引き受けることとしました。
また、社内で 一度EMを引き受けた後にメンバに戻った事例 があったことも安心材料の一つです。
働き方や役割について柔軟に対応できる環境は大きな魅力だなと思います。
10ヶ月で主にやったこと
2022年の2月から正式にSREチームのEMとなりました。
最初のうちは前任者から少しずつ業務を移管する形で、1on1などから徐々に始めました。
チームメンバーとの会話にも新しい話題 (キャリアの話など) が入ってくるため新鮮な感覚でした。
少しずつ担当業務を増やしていき、今では以下のようなことに取り組んでいます。
- チームミッションの策定
- 採用活動の再スタート
- 目標設定および評価
- チームビルディング会の企画
- 1on1
- その他
チームミッションの策定
SREチームは業務で担当する領域が比較的広く、他チームからの依頼対応なども多いため、目の前のタスクだけに集中しがちな状態が続いていました。
半期ごとに目標を設定する際もあまり中長期な視点を持てず、どちらかといえばやることを並べただけのタスクベースの目標になることが多かったです。
この状態を改善するために、SREチームとしての役割や目指すべきゴールを明確にする目的で、次のチームミッションを策定しました。
- サービスのセキュリティと信頼性を確実に担保する
- ビジネス要件に素早く対応可能な環境を整える
Kyashは金融サービスという側面から高い信頼性を要求されるため、守りの部分は最重要ポイントです。ただし守りをガチガチに固めて開発スピードが落ちてしまうのも困ります。
システムの守りをしっかり固めつつも、スタートアップとして大事な攻めの姿勢を忘れず、SREがボトルネックとならないことをミッションとしました。
チームミッションを定めた結果
SREチームが目指すゴールを明文化したことで、「ミッション達成に向けて不足していること」を洗い出せるようになりました。
最も信頼性が低い箇所は? 開発スピードを落としている要因は? という意識を持てたためです。
従来はタスクの優先順位も感覚で決めていましたが、ミッション達成への貢献度という軸で検討できるようになりました。
また、タスクと期限が定まることで、チーム体制や採用目標が明確になったのも思わぬ収穫でした。
採用活動の再スタート
SREチームは長らく同じ体制が続いていましたが、2022年春に1人が退職、さらに私がEMになったことでプレイヤーとしての稼働時間が減り、チーム体制の拡充が必要となりました。
SREは2年ほど採用を止めていたこともあり、採用を再スタートさせるために以下の取り組みを行いました。
- 最新の技術スタックに合わせて求人票 (JD) を更新
- カジュアル面談用スライドの作成
- 技術面接の採用ライン設定
- スカウトメッセージの作成
個別に触れると長くなりすぎるため割愛しますが、カジュアル面談で候補者に興味を持ってもらえそうな情報を揃えたり、技術面接で深堀りする際の観点をまとめたりといった工夫をしています。
チームビルディング会
これはSREに閉じた話ではないのですが、エンジニア全員のチームビルディング会を企画しました。
フルリモート開始から2年半が経過し、会ったことがないメンバーも増えてきたため、コミュニケーションを取る機会を用意したかったという意図があります。
この場で生まれた雑談からシステム設計の改善に繋がったというエピソードもあり、オンライン前提の普段とは異なるコミュニケーションによるメリットも得られました。
なお、遠方のメンバーが増えた場合でも参加できる仕組みづくりや、オンラインでも似たような効果を得る方法がないかは、今後検討していきたいと考えています。
EMを経験して感じたこと
EMをしばらく経験してみて……
- 抽象的な課題が多いためプレイヤーとは異なる思考回路が必要
- 様々な変数がある中で最適だと思う解を決めて前に進める力が大事
- チームミッションなど、目指す方向性を定めることで意思決定がしやすくなる
という面白さがあると感じました。
一方で今後の個人的な課題としては、
- プレイヤーとの両立はかなり難しいので役割分担をしっかり決める
- ミッション実現を早めるための施策を考えて動かす
- チーム外との相乗効果もより意識した取り組みを増やす
といった点があると考えています。
まとめ
最初は躊躇しましたが、やってみると新しく得られることも多く、視野も広げられました。
今後もずっとこの役割を続けるかはまだ分かりませんが、この経験は必ず活きると感じているため挑戦して良かったです。今後も頑張っていきます。
最近から EM (Engineering Manager) 業を始めて手を動かせる量が減ったけど、毎日のように新しい学びがあるのでプラマイで言うと圧倒的にプラス。
— yuu26/えむおん (@m_on_yu) February 28, 2022
Kyashでは、SREも含めて様々なポジションで採用しています。ぜひ覗いてみてください!
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