フォロワー10万人の Twitter bot 運用で学んだこと

スプラトゥーン

スプラトゥーン ステージ情報bot (@splatoon_stage) という Twitter bot を運用していました。
任天堂のゲーム 『スプラトゥーン』 では、バトルの舞台(ステージ)が4時間おきに変わるため、その情報を事前にツイートする bot です。

フォロワー10万人のスプラトゥーン Twitter bot 運用で学んだこと

スプラトゥーンが持つ魅力と、ゲームが大ヒットしたこともあり、ピーク時にはフォロワーが12万人を超える状態でした。ありがたいことです。
今回は、bot 運用から学んだことについて、忘れないうちに書いてみたいと思います。

シンプルにする

何かしらの機能を実現したくて bot を作るかと思いますが、必要最低限の機能に絞ってスタートしたことは正解でした。
今回の bot で言えば、ステージ情報をツイートする だけの機能です。

ステージ情報が定期的に投稿されているだけ
→ひと目でどんな bot か分かる
→フォローする/しないの判断がその場でつく
→ターゲットとしている人からのフォロー機会を逃さない

といった効果があったのかなと感じています。

また、スモールスタートにしたことで「機能を増やしすぎて時間がかかり、完成する前に諦める」といった個人的あるあるを回避できました。

フォロー返しをしない

上記にも関連しますが、フォロー返しが追いつかなくなることを懸念しました。
また、自動フォローが Twitter の規約に触れる恐れもあります。

利用者に何かアクションを起こす bot でもないため、フォロー返しは不要と判断し、実装を見送りました。

全自動化する

任天堂の公式サービス「イカリング」から未来のステージ情報を取得して、ツイートしています。
当初は、ページを見て手動でDB登録、時間が来たらツイートされる仕組みでした。

さすがにこれでは運用負荷が高すぎるため、自動で情報取得→DB登録→ツイートする仕組みを構築しました。

障害検知の仕組みをつくる

サーバの時刻ズレでツイートが遅れたり、長すぎるステージ名((マヒマヒリゾート&スパ))が登場して140字に収まらなくなったり(これは事前に気がつけた)、トラブルが度々起きました。
全自動化後は、様子の確認を忘れがちですが、ツイート通知をオンにして、bot が稼働しているかは分かるようにしていました。

スプラトゥーン2 向けの bot では、Zabbix によるデータの監視も取り入れました。 何かが起きると Slack 通知で iPhone が鳴ります。

ポリシーを変えない

bot のフォロワー数が増えてくると、様々なリプライが飛んできます。
嬉しい応援ツイートや、機能の追加要望、フォロー返しの要求、公式アカウントと勘違いされてゲーム自体への意見などなど。

魅力的な要望も多くいただきましたが、シンプルに始めた bot を後から複雑化することは望ましくないと考え、変化をなるべく抑えました。また、bot からの返信は一切していません。
結果としては、この方針も運用負荷の低減に貢献していました。

広告を載せない

フォロワーが5桁を超えてくると、周囲から「広告を載せれば稼げるんじゃない?」と何度か言われることがありました。
bot の性質上、ツイート通知をオンにしている方が多く、プッシュ通知で広告が届くのも個人的にはあまり嬉しくないな、と考えて見送りました。

このあたりの考え方やポリシーは色々あると思いますが、自分が受け手としてどう感じるかの感覚を重視しました。
ただ、一度に10万人へアピールできるアカウントなので、何かしらのマネタイズができると面白かったかなとは思います。

アルファツイッタラーの体験ができる

半分ネタです。
ツイートの度に RT や いいね が押されるため、通知は早々に切っていました。

が、オンにすることで Twitter の通知が鳴り止まない状況を体験することができます。拡散や炎上されるとこうなるのか……と雰囲気を味わえました。

感謝してもらえる

この bot が依存しているサイト「イカリング」がサービス終了となったため、bot 自体も更新を終了しました。

そのアナウンスをしたところ、非常に多くの方から感謝のリプライをいただきました。あまりにも温かいリプ欄に嬉しすぎて泣きそうになりました。
これまでもいくつかサービスを作ったりしていましたが、反響がここまであったのは初めてで、続けてよかったと心から思えました。

今回の件がきっかけで久々に開発意欲も湧いてきたので、自分が欲しい・使いたいネタをベースにまた何か作りたいと思います。

と、思いついたことをバーッと書いてみました。
基本的に bot の内容よりは、スプラトゥーンというコンテンツに乗っかって広がったアカウントなので、参考にならないかもしれません。(狙った記事タイトルの割には汎用的でない……)

なお、スプラトゥーン2 ステージ情報bot (@splatoon2_stage) と、Spla2 API (関連記事) はまだまだ続きますので、どうぞよろしくお願いいたします!